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上記トレードマークの背景地図は、1991年当時の特許登録件数を陸地の大きさと形状に擬態化して、地図状に表現したものです。

プライバシーポリシー


外国支援室
 

商標制度







  先願先登録制度

防護標章制度

団体商標制度

地域団体商標制度

小売等役務商標制度

早期審査制度

登録異議申立制度

無効審判制度

取消審判制度

新しいタイプの商標(1) 色彩のみからなる商標

新しいタイプの商標(2) 位置商標

新しいタイプの商標(3) 音商標

新しいタイプの商標(4) 動き商標

新しいタイプの商標(5) ホログラム商標



先願先登録制度


日本の商標法は、「登録主義」を採用しています。すなわち、ある商標を現実に使用(使用場所は国内外を問わない)していなくても、将来使用する意思があり、一定の条件さえ備えていれば登録される制度となっています。
よって、計画中のビジネス・日本への輸出等に備えて、使用予定の商標を前もって出願する等の検討をしておくことが重要です。

なお、登録主義に対立する概念として「使用主義」という制度があります。これは、実際に商標の使用をしていなければ商標登録を受けることができない法制をいうとされています。

そして、同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品・役務を指定する出願が競合した場合には、先に出願された商標が優先的に登録されます。これを「先願主義」といいます。



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防護標章制度

原則として、商標権の効力は登録商標と同一または類似の商標を指定商品(役務)と同一または類似する商品(役務)について使用する行為に対してのみ及びます。しかしながら、非常に有名な商標になってくると、非類似の商品(役務)についても混同が生じるおそれがあり、その商標権利者の業務上の信用が傷つけられる可能性が出てきます。
そこで商標法は、一定の条件のもと、商標権の効力の及ぶ範囲を非類似の商品(役務)にまで拡大し、著名な商標の権利者の業務上の信用を保護する制度を設けました。これを防護標章制度といいます。

防護標章の場合は、出願・登録等にかかる費用が一般の出願と若干異なりますので、注意する必要があります。

 
登録第4372691号
(特許庁「日本国周知・著名商標検索」より抜粋)
権利者:株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
商品及び役務の区分:国際分類 35 36 38 39 41 42
 
登録第4372691号防護第1号
権利者:株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
商品及び役務の区分:国際分類 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42


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団体商標制度

事業者を構成員に有する団体が、その構成員に共通に使用させる商標であって、団体の構成員の業務に係る商品又は役務としての共通の性質を表示する商標を「団体商標」といいます。

団体商標は、通常の商標とは異なる特質を有する商標であるため、その登録を受けるには特別な要件が求められます。たとえば、財団法人、株式会社は団体商標登録を受けることは出来ません。



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地域団体商標制度

地域の名称および商品(役務)の名称からなる商標について、一定の範囲で周知となった場合には、所定の要件を満たす団体が「地域団体商標」として登録することを認める制度です。
「地域団体商標」を登録することによって、模倣品や商標の知名度にただ乗りする事業者を排除し、商品(役務)及び地域の認知度や訴求力を向上させることができます。さらに、同種の商品(役務)との差別化を図ることも期待できます。



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小売等役務商標制度

平成19年4月1日から、小売業者・卸売業者(以下、「小売業者等」)が商品の販売に際して使用する商標を商品の販売というサービス活動(役務)の区分で登録できるようになりました。
小売業者等が店舗の看板、ショッピングカート、レジ袋、店員の名札、レシート、折り込みチラシ等に表示する商標が「小売等役務商標制度」によって保護される対象となります。
この制度によって、今まで商標権によって十分な保護を享受できなかった流通業やカタログ販売やインターネット通販等のビジネスについても、1つの分野で商標権を取得でき、低コストで業務上の信用を守ることができるようになりました。



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早期審査制度

早急に権利化を要する商標出願につき、一定条件の下、早期の審査を開始するよう申請することができます。

早期審査を受けるための条件は以下の通りです。
(1) 出願人又は使用権者が、出願に係る商標を指定商品・指定役務に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、権利化について緊急性を要する出願

* 権利化について緊急性を要するというためには、次のいずれかの要件に該当する必要があります。
① 第三者が出願人の許諾を得ることなく、出願に係る商標又は出願に係る商標に類似する商標を、出願人若しくは使用権者が実際に使用若しくは出願人等が使用の準備をしている指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用している、または使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
② 出願に係る商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
③ 出願に係る商標について、第三者から使用許諾を求められている場合
④ 出願に係る商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合

2)出願人又は使用権者が、出願に係る商標を既に使用している商品・役務又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務のみを指定している出願

* 指定商品・指定役務中に、出願に係る商標を使用していない又は使用の準備を相当程度進めていると認められない商品・役務を含む場合には、早期審査の申出以前(同時でも構いません)に、それを削除する補正が必要となります。



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登録異議申立制度

本来登録されるべきでない商標が誤って登録された場合等に、登録異議を申立てることによって、再度審理を求めることができます。商標掲載公報発行日から2ヶ月以内に申立てることが必要です。これを経過してしまった場合には、無効審判によって登録の是正を求めることになります。



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無効審判制度

本来登録されるべきでない商標が審査において誤って登録された場合や事後的に商標登録を付与することが不当になった場合には、それら瑕疵ある商標登録を無効にする必要があります。商標権を遡及的に消滅させるために行われる審判を無効審判といいます。



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取消審判制度

後発的事情によって、審査において瑕疵なく登録された商標登録であっても存続させておくことが不適切な場合に、その商標権を将来に向かって消滅させる手続です。取消審判には以下の5つがあります。

不使用による取消審判(商標法第50条)
審判の予告登録前3年以上、日本国内で商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれもが登録商標を使用していないことを理由に登録の取消を求める審判です。

商標権者の不正使用による取消審判(商標法第51条)
商標権者が類似範囲における商標の使用によって、故意に他人の商品等と誤認混同を生じさせた場合に登録の取消を求める審判です。

使用権者の不正使用による取消審判(商標法第53条)
商標法は、使用権者に対し登録商標を正当に使用する義務を課すと共に、商標権者には使用権者に対する監督義務を課しています。かかる監督義務違反を理由として、登録の取消を求める審判です。

商標権の移転にともなう商標権者の不正使用による取消審判(商標法第52条の2)
商標権の移転に伴う出所混同を防止するための担保措置として、移転の結果、別々の権利者が登録商標を使用することによって需要者等において誤認混同が生じた場合に登録の取消を求める審判です。

代理人(例えば代理店)等の不当登録による取消審判(商標法第53条の2)
代理人等が商標に関する権利を有する者の承諾を得ないでその商標を登録した場合に、登録の取消を求める審判です。



1.色彩のみからなる商標

①日本で導入予定の制度概要

 2015年4月1日より施行される改正商標法により、色彩のみからなる商標が登録できるようになる予定である。

  • <識別力判断>
     色彩のみからなる商標についても、伝統的商標と同様に、識別力の有無について判断される。識別力判断においては、商標見本及び商標の詳細な説明の記述(カラーコード等を記載し、色彩を特定。)を勘案した上で、総合的に判断される。
     単色の色彩および複数の色彩を組み合わせた商標については、原則として識別力が認められず、使用により顕著性を獲得した場合にのみ、登録が認められると考えられる。
  • <類否判断>
     色彩のみからなる商標は、対比する両商標の外観について、当該色彩が有する色合い、彩度、明度等を総合的に勘案して、類否判断が行われると考えられる。
    (例:単色の商標の類否判断において、赤と深紅色は類似だが、深紅色とピンクは非類似。)
  • <独占適応性>
     商標法第4条第1項第18号の規定により、例えば、商品「自動車用タイヤ」に単色「黒色」といった出願は、登録が認められないものと考えられる。




②諸外国での登録例
EUTM(共同体商標) 豪州 米国
商標番号:8298499第4類 等 商標番号:8683633第9類 等 商標番号:780092第6類 等 登録番号: 3361597第25類 「女性用ファッションデザイン履物」
<識別力判断>
・単色の色彩のみからなる商標は、全ての商品・サービスにおいて、本来的に識別力は無い(但し、極めて特殊な場合を除く)。 ・色彩の組合せからなる商標の場合、識別力の有無は個別に判断されるが、外観上、色彩が商品を装飾したものにすぎない場合には、識別力は無いものとされている。 ・商品の外装色として使用される単色の色彩のみからなる商標は、本来的に識別性は無い。但し、使用による顕著性獲得を示す証拠の提出は可。 ・色彩の組合せからなる商標の場合、一定程度識別力を有する場合がある。 単色の色彩のみからなる商標と、色彩の組合せからなる商標は、本来的に識別力はない。
<類否判断>
各国によって様々な手法で判断されるものの、特別の審査基準は定められていない。
異議申立がなされた場合に、混同を生ずるおそれの有無により判断される。 需要者の一般的な印象による個別判断がされる。 混同を生ずるおそれの有無により判断される。




③出願戦略

 単色の色彩および複数の色彩を組み合わせた商標については、いずれも原則として識別力が無いと考えられるため、顕著性を示す証拠資料(使用実績)を準備する必要がある。その際、使用実績のある商標と、出願商標とが一致している必要があると考えられるが、完全に色彩が一致した資料のみが、審査・審判の過程で参酌されるとは考えにくい。

 従い、商標見本並びに商標の詳細な説明の記述において、幾つか類似の色彩のパターンについて複数出願を行なうことにより、より使用実績に即した的確な権利保護が可能となると考えられる。









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2.位置商標

①日本で導入予定の制度概要

 位置商標とは、「文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合からなる商標」であって、商標を商品又は役務の提供の用に供する物等に付する位置によって、特定されるものとなる予定である。

  • <識別力判断>
     願書への記載として、商標のタイプの記載(位置商標である旨)、商標見本、商標の詳細な説明の記述が求められると考えられる。商標の詳細な説明については、例えば、商品全体における位置の部位の名称、形状、特徴等の具体的な説明が求められると予想される。
     商標見本における位置の特定には、写真で表現する手法の他、部分意匠で行う実線と破線で書き分ける手法と同様の手法が想定され、実線部分が単体でも識別力を有する場合、その位置に関わらず当該位置商標の識別力が認められる場合が多く、一方、実線部分が単体では識別力が無い場合には、当該位置商標は原則として識別力が認められず、使用により顕著性を獲得した場合にのみ、登録が認められると考えられる。
  • <類否判断>
     位置商標は、伝統的商標と同じく、対比する商標の外観、称呼、観念を総合的に勘案する他、当該位置商標の位置の要素を考慮した上で、類否判断が行われるものと考えられる。
     すなわち、実線で特定される標章自体の識別力が強いと考えられる場合、位置が同一又は類似でない場合であっても、対比する商標は類似することが多いと考えられる。




②諸外国での登録例
EUTM(共同体商標) 米国
商標番号:3889615
第25類 「Footwear」
商標の詳細な説明: The trademark consists of a circular band in the shape of a ring on a shoe; it is on the side of the shoe, between the shoe laces and the sole.
登録番号:2851315
第25類 「Footwear」
商標の詳細な説明: Color is not claimed as a feature of the mark. The mark consists of a red stripe placed longitudinally along the middle of the heel of an item of footwear, partly covering the rear of the sole and partly the rear of the item of footwear. Any molding seen on the sole or on the rear part of the item of footwear and/or production characteristic are not part of the mark. The mark is lined for the color red.
登録番号:2363544
第9 類 「Cursor control device sold as a component part of a computer keyboard」
商標の詳細な説明: The mark consists of the color red used on the cursor control device component of the goods. The matter shown in the drawing in broken lines serves only to show positioning of the mark and no claim is made to it. The mark is lined for the color red.
<識別力判断>
EUTM:識別力判断は、商標の通常の使用に従ってなされるのが一般原則。 米国:特に規定なし。
<類否判断>
各国によって様々な手法で判断されるものの、特別の審査基準は定められていない。
異議申立がなされた場合に、混同を生ずるおそれの有無により判断される。 需要者の一般的な印象による個別判断がされる。 混同を生ずるおそれの有無により判断される。




③出願戦略

 位置商標は部分意匠制度との交錯があり、商標として識別力が要求される場合はあるものの、既に新規性を喪失した意匠についても、商標での権利保護の可能性が残されていると考えることが可能である。

 部分意匠と同様に、位置商標においても、当該位置を変えた複数の商標出願を行うことにより、点ではなく面での強い権利保護が可能となると考える。但し、意匠とは異なり、商標の場合には不使用による取消のリスクをも考慮した判断が必要となるであろう。









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3.音商標

①日本で導入予定の制度概要

 2015年4月1日に施行される改正商標法により、音商標が登録できるようになる。

  • <識別力判断>
    音商標の識別性は、音商標を構成する音の要素(音楽、自然音等)及び言語的要素(歌詞等)を総合して、商標全体として判断される予定である。
    従い、音商標の構成中、言語的要素が第3条第1項各号の規定に該当しない場合には、商標全体としても第3条第1項各号の規定に該当しないものとなり、また、音の要素が第3条第1項各号の規定に該当しない場合には、商標全体としても第3条第1項各号の規定に該当しないものとなる。

    (例)以下の音商標あるいは音は、原則として識別力がない。
    • ・商品又は役務の普通名称・慣用標章を単に読み上げたに過ぎない音商標。
    • ・商品が通常発する音又は役務の提供にあたり通常発する音を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標((例)商品「炭酸飲料」について、「『シュワシュワ』という泡のはじける音」)。
    • ・単音やこれに準ずる極めて短い音。
    • ・自然音を認識させる音。
    • ・需要者がクラシック音楽、歌謡曲、オリジナル曲等の楽曲としてのみ認識する音。
    • ・商品の機能を確保するために不可欠な音又は役務の提供にあたり不可欠な音ではないが、その市場において商品又は役務に通常使用される音。
    引用文献:「資料1 商標審査基準たたき台案 平成26年11月26日」
  • <類否判断>
    音商標においては、音商標を構成する音の要素(音楽的要素であるメロディー、ハーモニー、リズム、テンポ、演奏楽器や声域等により異なる音色その他自然音等)及び言語的要素(歌詞等)を総合して、商標全体として類否判断が行われると考える。
    但し、従来までの審査実務と同様に、音商標を構成する音の要素・言語的要素の識別性及びこれら要素の不可分性を勘案のうえ、各要素を分離観察し、要部抽出したうえで商標の類否判断が行われる場合がある。
    また、言語的要素が要部として抽出される場合には、文字商標との類否についても判断が行われる。

    (例) ※両商標の音楽的要素は同一のものであるとする。

    (例)
    引用文献:「資料1 商標審査基準たたき台案 平成26年11月26日」
  • <独占適応性>
     商標法第4条第1項第18号の規定により、①商品等から自然発生する音や②商品等の機能確保に不可欠な音のみからなる商標は登録が認められない。
    但し、上記②の判断にあたっては、商品等の機能を確保できる代替的な音が他に存在するか、代替可能な音が存在する場合には、同程度(若しくはそれ以下)の費用で生産できるものであるかが考慮される。
②諸外国での登録例
EUTM(共同体商標) 豪州 米国
The mark consists of the sound of a human voice yodeling "YAHOO".
登録番号:2289049
指定商品:第9類、第28類
登録番号: 1230828
指定商品:第9類
説明文:The mark is a sound mark. The mark consists of a series of tones or musical notes without words, as set forth in the musical score and sound recording accompanying the application.
登録番号:2442140
指定役務:第42類
<識別力判断>
・識別力の判断は、商標の通常の使用(当該商品・サービスに関係する需要者を代表する平均的な者による使用)に従ってなされるのが一般原則。 ・識別力の判断は、通常の商標と同じである。但し、新しいタイプの商標は、本来的に識別力を有しないものもある。
・音商標については、他の同業者が、出願商標と同一又は類似の商標の使用を求めるか否か、という観点が、識別力の判断で考慮される。
・通常の商標と同じ扱いで識別力を判断する。
<類否判断>
各国によって様々な手法で判断されるものの、特別の審査基準は定められていない。
・異議申立がなされた場合に判断される。 ・類否判断は、通常の商標の場合と同様である。
・商品・サービスを扱う一般の需要者が受ける全体的な印象によって、判断される。
・混同を生ずるおそれの有無により判断される。




③出願戦略

音商標について登録を得た場合、基本的には登録を受けた音商標の全体について保護が得られることになる。従い、音商標の構成中に特に権利保護を求める部分が含まれている場合には、その部分のみを別個の出願とすることでより強い権利保護が可能となると考える。

また、言語的要素を含む音商標について、言語的要素と音の要素との一体性が高い場合には、言語的要素を文字商標として、また、音の要素のみを別個の音商標として出願することが望ましいと考えられる。特に、言語的要素にも音の要素にも識別力がある場合には効果的であると考える。但し、不使用による取消のリスクをも考慮した判断が必要となるであろう。









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4.動き商標

①日本で導入予定の制度概要

 動き商標は、改正商標法第5条第2項第1号に規定される「商標に係る文字、図形、記号、立体的形状又は色彩が変化するものであつて、その変化の前後にわたるその文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合からなる商標」に含まれるものとして整備される方向である。

  • <識別力判断>
    動き商標の識別力は、文字や図形等の標章とそれが時間の経過により変化する状況(標章の動き方※)を「商標登録を受けようとする商標」及び「商標の詳細な説明」から特定し、全体として判断される予定である。
    一般に「動き」は、宣伝広告等において注意喚起や装飾的効果を期待し、また、特定の立体的形状の機能を果たすために採用されるものであると考えられるため、標章そのものの識別力の有無が、商標全体の識別力の判断に影響を及ぼすと考えられる。
    なお、動き商標は変化の前後にわたる文字、図形等から構成されるため、これらの「動きそのもの」は商標の構成要素とはされない予定である。

    ※ここでの「動き方」とは、動いた結果、表現された(残された)「軌跡」のことをも指す。したがって、標章が軌跡として表現されたものについては、文字や図形等として識別力が判断される予定である。
    また、動いた結果の軌跡が残らないものの、視覚の残存効果等を利用して、残像として明らかに残るものについては、今回の法改正では商標の構成要素とはされない方向である。


    (例)動いた結果、表現された軌跡と動いた図


    自動車(動いた図)の軌跡が「SUN」の文字を描いている
    引用文献:「資料2 動き商標に関する審査基準について(案) 平成26年8月」
  • <類否判断>
     動き商標においては、動き商標を構成する、標章(文字や図形等)とその動き方(軌跡)が組み合わされた商標全体から生ずる外観、称呼及び観念をもとに類否判断が行われると考えられる。
    また、現行の審査においても、立体商標と平面商標(例えば、文字商標)のようにタイプが異なる商標間の類否判断は行われていることから、動き商標についても、性質上可能なものについては、タイプ横断的に類否判断が行われる可能性がある。




②諸外国での登録例
EUTM(共同体商標) 豪州 米国
商標番号:001864610
第35類 等
商標番号:810792
第29類 等
登録番号: 2373655
第9類
<識別力判断>
・識別力の判断は、商標の通常の使用(当該商品・サービスに関係する需要者を代表する平均的な者による使用)に従ってなされるのが一般原則。 ・識別力の判断は、通常の商標と同じである。但し、新しいタイプの商標は、本来的に識別力を欠くものもある。 特に規定なし。
<類否判断>
各国によって様々な手法で判断されるものの、特別の審査基準は定められていない。
異議申立がなされた場合に、混同を生ずるおそれの有無により判断される。 需要者の一般的な印象による個別判断がされる。 混同を生ずるおそれの有無により判断される。




③出願戦略

 動き商標は、「標章の形態そのものが変化する商標」と「標章自体は変化しないが位置が変わる商標」に大別できると考えられる。

  • <1>標章の形態そのものが変化する商標
     形態の変化に特徴がある場合が多いと考えられることから、まずは形態変化する商標を動き商標として出願することが望ましい。その上で、静止状態が目視されやすい初期形態と最終形態についても通常の商標として出願することが望ましいと考えられる。
  • <2>標章自体は変化しないが位置が変わる商標
     標章自体に識別力があるのであれば、まずは通常の商標として出願することが望ましい。その上で、位置が変わることで軌跡が残る商標については、動き商標としても出願することが望ましいと考える。
     一方、標章自体に識別力がないのであれば、動き商標として出願することになるが、動き自体には識別力はないと考えられているため、軌跡を残してそこに識別力を付与するか、使用により識別力を獲得することが必要になってくるであろう。








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5.ホログラム商標

①日本で導入予定の制度概要

 ホログラム商標は、改正商標法第5条第2項第1号に規定される「商標に係る文字、図形、記号、立体的形状又は色彩が変化するものであつて、その変化の前後にわたるその文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合からなる商標」に含まれるものとして整備される方向である。

  • <識別力判断>
    ホログラム商標の識別力は、文字や図形等の標章とそれが変化する状況を「商標登録を受けようとする商標」及び「商標の詳細な説明」から特定され、全体として判断される予定である。
    また、ホログラムは平面上に複数の表示面を与えるために使用されることもあり、その場合、それぞれの表示面に描かれた要素に着目して全体の識別力を判断される可能性がある。
     したがって、識別力のない文字、図形等のみから構成されるホログラム商標は、商標全体として識別力を否定されることが多くなり、一方、識別力を有する文字、図形等を含むホログラム商標は、商標全体として識別力を肯定されることが多くなると考えられる。
  • <類否判断>
     ホログラム商標においては、ホログラムの表示面に表示された文字や図形などの構成全体から生ずる外観、称呼及び観念をもとに、商標の類否判断が行われると考えられる。
    例えば、ホログラム商標に特有の問題であるホログラムが平面上に複数の表示面を与えるために使用されているときの商標の類否判断は、下記のように行われる場合が多いと考えられる。
     (ⅰ)複数表示面の各構成要素が不可分的に結合していると考えられる場合には、要部観察をすべきとする特段の事情がない(一連一体の商標)といえることから、当該成語の一部から成る文字商標とは類似しない。
    (例)

    引用文献:「資料3 ホログラム商標に関する審査基準について(案) 平成26年8月」

     (ⅱ)複数表示面の各構成要素が不可分的に結合しているとまでは言えず、各構成要素の商標全体に占める割合が低い等の事情がないような場合には、要部観察も行うことが適当であることから、各表示面に表示された文字から成る文字商標とは類似する。
    (例)

    引用文献:「資料3 ホログラム商標に関する審査基準について(案) 平成26年8月」

     (ⅲ)要部観察をしようとしている表示面に表示された文字や図形の全体に占める割合が低い場合等には、一の表示面に描かれた図形等と類似する商標であっても、全体としては類似しない場合が多いと考えられる。
    (例)

    引用文献:「資料3 ホログラム商標に関する審査基準について(案) 平成26年8月」




②諸外国での登録例
EUTM(共同体商標) 豪州 米国
商標番号:002117034
第9類 等
商標番号:1155005
第28類 等
登録番号: 78470087
第36類
<識別力判断>
・識別力の判断は、商標の通常の使用(当該商品・サービスに関係する需要者を代表する平均的な者による使用)に従ってなされるのが一般原則。 ・識別力の判断は、通常の商標と同じである。但し、新しいタイプの商標は、本来的に識別力を欠くものもある。 特に規定なし。
<類否判断>
各国によって様々な手法で判断されるものの、特別の審査基準は定められていない。
異議申立がなされた場合に、混同を生ずるおそれの有無により判断される。 需要者の一般的な印象による個別判断がされる。 混同を生ずるおそれの有無により判断される。




③出願戦略

 まず、ホログラム商標が複数の表示面を有し、それぞれに文字や図形が表示される場合、当該ホログラム商標が登録になったとしても、各文字・図形がそれぞれ独立して保護されるわけではない点に注意すべきである。

 特に、多数の表示面(例えば6面)にそれぞれ文字・図形が表示されるような場合には、1つの表示面に表示される文字・図形は全体に占める割合が低くなるから、その文字・図形が独立して保護される可能性は低くなると考えられる。よって、そのような場合には、ホログラム商標としての登録に加えて、各表示面に表示される各文字・図形についても通常の商標として登録を受けておくことが望ましいと考えられる。





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