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半導体集積回路配置法とは?

1.はじめに

知的財産権法の分野の中に、あまり知られていませんが半導体集積回路配置法(正式名称:半導体集積回路の回路配置に関する法律)という法律が存在します。この法律は、昭和60年(1985年)5月31日に成立し、翌昭和61年(1986年)1月1日に施行された法律です。したがって、法律としては意外にも30年ほどの歴史があります。

この法律が制定された背景には、米国を中心としたコンピュータや半導体産業の興隆があります。半導体集積回路の登場によって、コンピュータの小型化・省電力化・高性能化が実現しました。そして、さらなる小型化・省電力化等を目指して半導体集積回路の集積度を高める努力が積み重ねられています。そして、集積度を高めるためには、回路配置(topography)ないしは電子回路のレイアウト・デザイン(layout-design)を工夫することも重要です。

新たな回路配置を開発するための費用は、半導体集積回路の集積度が高まるにしたがって飛躍的に上昇します。しかしながら、回路配置を複製するためのコストは、技術が進歩したこともあって、比較的容易かつ安価で行うことができるようになりました。そのため、新たに開発された回路配置を法的に保護する必要が高まりました。

つまり、無断模倣を認めてしまうと、高額の開発費用を負担してまで半導体集積回路の集積度を高めようというインセンティブが働かなくなります。そうすると、半導体集積回路の開発は促進されません。また、特許法や著作権法などの既存の知的財産権法では、回路配置について適切な保護を受けることはできませんでした。

そのため米国は、半導体チップ保護法(Semiconductor Chip Protection Act)を1984年に制定し、半導体集積回路の回路配置を特別法によって保護することにしました。その後日本でも、米国における法律の制定をきっかけとして、その翌年に半導体集積回路配置法が制定されたのです。

2.保護の対象

半導体集積回路配置法では、半導体集積回路の回路配置を保護の対象としています。では、「半導体集積回路の回路配置」とは何でしょうか。この言葉の意味内容によって保護を受けられる創作か否かが決まりますので、できるだけ明確な定義にすることが望まれます。そこで、半導体集積回路配置法は、2条1項および同2項において「半導体集積回路」と「回路配置」の定義規定をおいています。まず、「半導体集積回路」の定義をみてみましょう。

◆2条1項

この法律において「半導体集積回路」とは、半導体材料若しくは絶縁材料の表面又は半導体材料の内部に、トランジスターその他の回路素子を生成させ、かつ、不可分の状態にした製品であって、電子回路の機能を有するように設計したものをいう。

この定義だけでは少々わかりにくいので、分解して考えてみましょう。「半導体材料」というのは、電気抵抗の数値が導体と絶縁物との中間の数値をとる物質のことで、半導体集積回路ではシリコンやガリウム砒素が用いられるのが一般的です。「絶縁物」というのは、電気抵抗が大きくて電気をほとんど通さない物質で、半導体集積回路では二酸化シリコンが用いられることが多いようです。「回路素子」というのは、スイッチング機能、増幅機能、蓄電機能などのような電子回路を構成する機能の最小単位のことをいいます。定義中に例示されているトランジスターのほかにも、コンデンサ、抵抗器、ダイオードなどが例として挙げられます。「表面又は…内部に…生成させ」るとは、真空管のような既成の外部部品を取り付けるのではなく、必要なところに回路素子を直接形成させることをいいます。「不可分の状態に」するとは、回路素子同士が分離できないような状態になっていることをいいます。

つづいて「回路配置」です。

◆2条2項

この法律において「回路配置」とは、半導体集積回路における回路素子及びこれらを接続する導線の配置をいう。

このように、「回路配置」とは、スイッチング機能、増幅機能、蓄電機能などのような電子回路を構成する機能の最小単位である回路素子と、この回路素子同士を接続している導線の配置のことです。したがって、回路素子と導線とをどのように配置するのか、ということがポイントとなります。

3.保護の体系

半導体集積回路配置法は、申請された半導体集積回路の回路配置を設定登録することによって「回路配置利用権」という権利を発生させ、そして、この権利に基づいて他人による回路配置の模倣を禁止するという方法によって回路配置を保護しています。したがって、自ら創作した回路配置を保護しようとすれば、回路配置利用権の登録を取得しなければなりません。

(1)申請から設定登録まで

設定登録の申請は経済産業大臣に対して行います。設定登録の申請があった場合、経済産業大臣から委託された財団法人ソフトウェア情報センター(SOFTIC)が、以下の事項が審査します。

  1. 申請者が申請に係る回路配置の創作者またはその承継人であること
  2. 創作者またはその承継人が2人以上ある場合において、それらのものが共同申請していること
  3. 創作者またはその承継人が申請に係る回路配置について申請の日から2年以上遡った日前に業として譲渡・輸入などの行為をしていなかったこと
  4. 申請書が方式に適合していること

このように、特許法等とは異なり、新規性、進歩性、先願であること等は登録要件とされておらず、したがってこれらが審査されることはありません。そのため審査の完了はとても早く、申請を行ってから設定登録の通知書が届くまでの時間は、だいたい1週間以内です。

設定登録申請書に記載すべき事項は以下のとおりです。

  1. 半導体集積回路の名称
  2. 半導体集積回路の分類
  3. 創作者の住所・名称
  4. 申請者の住所・名称
  5. 半導体集積回路を最初に譲渡等した年月日
  6. 代理人の住所・氏名(代理人により申請を行う場合)

また、設定登録申請書に添付すべき書類は以下のとおりです。

  1. 申請者が創作者等であることについての説明書(創作者と申請者が同一である場合)
  2. 半導体集積回路の実物を4個
  3. 回路配置を記載した図面または写真(実際の20倍以上に拡大する必要あり)
  4. 秘密にする箇所を特定するための申出書(回路配置に秘密とする部分が含まれている場合)
  5. 委任状(代理人により申請を行う場合)

なお、申請者は、特別の技術による生産方式などの秘密を保持する必要があるときは、以下のうちいずれかの方法でもって申請する必要があります。

  1. 図面または写真に記載または表された回路配置について、電子計算機による設計仕様を表した表面をマイクロフィルムに複写したものを提出すること。
  2. 申請に係る回路配置の特定を著しく困難にしない限度で、図面または写真の一部を塗りつぶして提出すること。ただし、塗りつぶした面積は、当該回路配置を用いて製造した半導体集積回路の一の層に対応する部分ごとに、塗りつぶされていない部分の面積を超えてはいけません(つまり塗りつぶした面積が全体の50%未満である必要があります)。

申請から設定登録までの手続の流れは下図のとおりです。

(2)設定登録後

回路配置について設定登録がなされると回路配置利用権が発生します。回路配置利用権の存続期間は設定登録の日から10年であり、特許権や商標権のような延長・更新はありません。

回路配置利用権には、特許権等と同じように独占排他性が認められます。しかし、回路配置利用権の効力は、他人が創作した回路配置の利用には及びません。つまり回路配置利用権は、特許権等のような絶対的な権利ではなく、著作権のような相対的権利に止まります。したがって、設定登録を受けている回路配置と全く同じものを利用していても、独自に創作した回路配置である限り、回路配置利用権の侵害には該当しません。

また、解析又は評価するために設定登録を受けている回路配置を用いて半導体集積回路を製造することも、回路配置利用権の侵害には該当しません。したがって、解析等のみを目的とするリバースエンジニアリングは権利侵害には該当しません。

なお、特許権と同じように利用権や質権の設定が認められます。また、情報提供を行うことにより、税関による輸入差止も認められます。さらに、回路配置利用権侵害に対して差止請求権、損害賠償請求権が行使できます。この場合、管轄裁判所は、特許権侵害訴訟と同様に、東京地方裁判所と大阪地方裁判所のみとなります。ただし、回路配置利用権に関する判決は、今のところ1件もありません。

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